福岡歯科大学

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学部・大学院

萩家 康弘 准教授 インタビュー

「Cosmetics plastic surgeon 大学病院に初進出!~ご機嫌なエイジングをサポートいたします~」
2011.11.30
口腔顔面美容医療センター(現:総合医学講座 皮膚科学分野)
萩家 康弘 准教授

――先生は関西ご出身とお聞きしましたが、普段は関西弁じゃないですよね…

萩家:生まれは奈良県、育ちは兵庫県なんです。私は芦屋の山の上にある甲南高校出身で、近畿大学へ進学しました。博多に来て丸3年。本学に来て2年ですね。患者さんと話す時は出来るだけ関西弁を使わないように気を使っています。なぜって?九州の女性は、関西弁は怖い、きついって言われますからね。プライベートではこてこての関西弁ですが・・・(笑)

――先生のご実家は病院を開業されていたそうですが、それで医師を目指されたんですか?

萩家:私の実家は、60年以上続いた美容外科で、テレビCMをしていた位でしたから結構有名でした。一般的に医者の息子は親の跡を継ぐことが多いですが、私の父は違いましたね。むしろ医者にならなくていいと言っていました。私は文系より理科系に進学したかったんですが、高校1~2年生にかけて弁護士や消防士、警察官、自衛隊など様々な職種の方々とお会いし話を伺う機会を得ました。人の役に立つ職業は何か、と考えた時、最終的にそれが「医者」でした。結局色々考えて、遠回りしながらこの道に入ったという感じです。

――もし、その道(形成外科)を選んでいなかったらどうされていましたか?

萩家:私が医学部を卒業したころは現在のような研修医制度はなく、卒業したらすぐ専門の診療科に入局するというのが普通でした。実は、私の先輩に自衛官(防衛医官)になった方がいて、部下とのやりとりとか、移動時は常に運転手付のジープを利用するのを見て“すごいなぁ~!!カッコいいなぁ~!”と憧れた時期がありましたので、海上自衛隊の護衛艦付のドクターになりたかったんですよ(笑)

――結局、ご実家の跡を継がれたんですね?

萩家:私の父は、私が19歳の時に亡くなりました。その時は当時副院長をやっていただいた先生に引き続き病院をお任せしていました。私は無事ストレートで国家試験に合格し、大学院へ進学、学位取得と、今思えば贅沢させて頂きました。学位取得から半年後に福岡大学に形成外科が新設されたので、現在の教授の大慈弥(おおじみ)裕之先生のすすめもあって初代の医局長として福岡で勤務させていただきました。しかし、福岡に慣れた頃、突然実家の病院を任せていた院長先生が亡くなられて、急遽私が帰って跡を継ぐことになりました。そこから11年間、病院の院長としてやって参りました。幸い患者さんにも恵まれ、大きなトラブルもなく毎日を過ごしておりましたが、私自身、研究や学会活動とかが好きで、正直言って開業医という立場は苦手でした。そんな時、福岡大学形成外科から誰か美容外科を教える人がいないかとオファーがあって、“じゃあ私行きましょうか”という事になり、病院を閉じて福岡へ戻ってきました。その後こちらに赴任したというわけです。

――美容外科の中で先生が得意とするところは?

萩家:今は「切らない美容外科」が多いんですが、私はその逆で「切る美容外科」たとえばフェイスリフトなどを中心にやっていました。フェイスリフトは、耳の前後、こめかみあたりから皮膚を切って反対側まで皮膚をめくってから皮膚を引き上げてたるみをなくす手術です。これまでに40歳代から85歳までの方を担当しましたね。

――特に美容についての悩みで皺(しわ)やシミといったものが多いと思うのですが?

萩家:皺(しわ)は、年齢とは無関係なんです。肌の保湿が充分に保たれているかが問題です。鼻唇溝(びしんこう)、いわゆるほうれい線と言われる部分に皺(しわ)が深く入るんですが、ここの保湿をしっかりしてあげれば大丈夫。化粧を落とす時は普通の石鹸で結構です、泡立てネットでしっかり泡立てて3分間、洗顔すると良いです。洗顔後はタオルを顔にかけて押さえるように拭き、多少水気を残してもいいので、その後化粧水とか乳液、美容液等をお顔になじませて下さい。こすったり、パッティングしたりしてはダメですよ。とにかく水分が逃げないように保湿が大事です!

――現在、先生が注目されていることや研究等について教えてください。

萩家:臨床では患者さんのシミの色を測定しています。歯の白さを調べて自然な歯の色にするシェードテイキングという歯科領域の機器がありますが、それを美容外科に応用したものです。患者さんの肌のシミの色を経時的に観察し、シミが薄くなっていく様子を患者さんと実感することができるわけですね。他に注射注入物としてハイドロキシアパタイトを使った治療法もあります。歯科では骨を作るのに用いますが、美容外科ではこれを柔らかい組織に注入して皺を目立たなくさせます。このように歯科の機材を医科にも応用できるんですよ。

――歯科と医科間でそういった応用ができるものもあるんですね。本学が提唱している口腔医学も歯科と医科の連携ですが形成外科では具体的にどのようなかかわりがあるのでしょうか?

萩家:形成外科は口腔医学において重要な立場にあると思っています。つまり、口や顔の美容外科的な手術が口腔外科と同じフィールドでやらせていただいているため、重なる部分が多いと考えています。今注目されているアンチエイジングについても外科的、内科的な立場からのアンチエイジングがあり、形成外科が口腔外科と手を組んでやることはとても良い事だと考えています。形成外科では大きく分けて“形成”、“再建”、“美容”の3つに分けられます。このうちの“再建”で口腔外科と関わりますが、いかに連携がとれるかが重要です。また、本学の口腔顔面美容医療センターにおいて、患者中心の医療を行うことを目標に、現在問診表を医科と歯科を一緒にすることで連携を図り、来院された方の様々な要望にお応えできるよう日々努力しています。

――先生は研究や診療だけでなく学生の教育にも力を入れられているようですが…

萩家:私は「マイクロサージェリー」といって細い血管をつなぐ実習を担当させて頂いています。1~2mmくらいのシリコンチューブを血管に見立て、顕微鏡下で針と糸を使ってつなぐという実習です。こう言ってはなんですが、本学の学生のほうが医学部の学生より上手なんでとても感心しました。さすが、歯科医の卵、器用な学生が多いですね。そもそも医学教育、歯学教育の中で学生時代にこういったトレーニングができるのは珍しく、本学で学べる学生にとっては貴重な経験になるはずです。今後、本学の学生が活躍するのを期待したいですね!


美容に関する悩みから医科と歯科の連携、学生教育まで幅広く活躍されている先生の今後に注目です!!本日は、お忙しいところありがとうございました。

萩家准教授からのビデオメッセージ

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