咬合修復学講座について
講座概要
咬合,咀嚼機能の回復を目的とした教育,研究,診療を行っている講座で,有床義歯学分野・冠橋義歯学分野・ 口腔インプラント学分野の3つの分野より構成されています。
主任教授挨拶
咬合修復学講座 有床義歯学分野 教授 都築 尊
咬合修復学講座は有床義歯学分野,冠橋義歯学分野,口腔インプラント学分野からなり,歯や顎の欠損に対する補綴治療にかかわる治療,研究および教育を担当しています。私たちの活動の主な目的は,生体材料を含む,多くの種類の材料を利用して欠損の修復を行い,患者の機能を効率的に回復することです。
近年,デジタル技術の導入により,光学印象やCAD/CAMによる補綴物の製作など,パラダイムシフトともいえる診療体制の改革を行っており,教育や研究にもこれらの技術を積極的に取り入れています。
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冠橋義歯学分野
冠橋義歯学分野とは・・・
冠橋義歯学分野は昭和50年秋に歯科補綴学第2講座として発足し、平成10年4月に有床義歯学分野とともに歯科補綴学講座の一分野となり、さらに平成12年4月からは口腔インプラント学分野が加わった咬合修復学講座の一分野となり、現在に至っています。
冠橋義歯学は、歯質が欠損した歯やインプラントの上に固定性の補綴装置を作って、装着することを実践する学問ですが、補綴治療の効果をなるべく長持ちさせるためには補綴装置の製作のみにとどまらず、口腔領域全体に視野を広げた、将来予測に基づく包括的な考えを持つ必要がある学問でもあります。すなはち、一つの歯の治療を考えるbottom-upな考えだけではなく、治療の最終ゴールから考えるtop-downな考えを併せ持ちながら、両者をすり合わせつつ、治療ゴールを設定する学問の分野です。なぜなら、補綴歯科治療は歯科治療の最終ゴールであるからです。
我々はこの考え方を根底に持ちながら、日々の臨床、研究および卒前教育と卒後の研修に当たっています。
研究テーマ
- 種々の固定性補綴装置の予知性とそれに影響する因子に関する研究
- 歯科臨床応用のためのバイオマテリアルの開発に関する研究
- 骨粗鬆症や顎骨隆起に関する生物学的研究
- 疼痛と遺伝子多型に関する研究
冠橋義歯学分野 所属教員
教授 | 松浦 尚志 |
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講師 | 山口雄一郎 |
講師 | 加我 公行 |
講師 | 高江洲 雄 |
助教 | 宮園 祥爾 |
有床義歯学分野
有床義歯学分野とは・・・
私たちの分野は、冠・橋義歯学分野や口腔インプラント学分野とともに、咬合修復学講座を構成しています。
有床義歯学分野は、おもに全部の歯または部分的に歯を失った患者さんや腫瘍摘出や外傷などが原因で顎の一部を失った患者さんに、取り外しができる義歯(入れ歯)、顎義歯を作製して、咀嚼、嚥下、発音などの低下した機能を回復させる一方で、顔貌を整復させる方法などの基礎的理論と具体的な臨床術式の研究を行い、その教育を担当しています。
また、附属病院では、咬合修復学講座の他分野と共同して、冠や義歯を応用して患者さんの咬合機能を回復・維持するための治療や、噛み合わせの不調和に起因する顎機能障害(顎関節症など)の治療なども行っています。
クォリティー・オブ・ライフを求めた診療
口腔内疾患(齲蝕、歯周疾患、腫瘍etc)の治療を行った結果、歯牙や歯周組織あるいは顎骨の欠損が生じることがあります。組織の欠損が生じることにより咀嚼障害、審美障害、発音障害、嚥下障害等が引き起こされ、これらに関連して全身的あるいは精神的ダメージをこうむることで、患者さん本人の社会生活にも悪影響をおよぼす可能性があります。 そこで我々は、患者さんに人間性豊かな、活力ある、高度な社会生活を営んでもらうことを目標に、有床義歯学分野の立場から床用材料(床用レジン、金属)の改良・開発、および臨床テクニックを研究することにより、患者さんのクオリティー・オブ・ライフの向上に務めています。
バイオマテリアルの研究
バイオマテリアルとは医療の目的で人間の器官や組織の機能と形態を代替するあるいは、促進するために用いる材料です。また、治療、診断ならびに予防に用いられる材料をも含みます。
歯科領域への人工材料の使用は、古くから行われています。有床義歯学分野では、入れ歯の材料である各種レジン、補強材料、チタンなどの金属の諸性質を研究し、開発しています。また、これらの材料を臨床に応用し生じた問題点について研究、解明を行っています。
研究テーマ
- 3Dプリンターによる義歯製作
- セルロースナノファイバーを用いた義歯床用レジンの開発
- インプラント周囲炎治療後の骨再生
- 咀嚼が認知症に与える影響の解明
有床義歯学分野 所属教員
教授 | 都築 尊 |
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准教授 | 川口 智弘 |
講師 | 吉田 兼義 |
講師 | 濵中 一平 |
助教 | 前芝 宗尚 |
助教 | 北條 朋子 |
口腔インプラント学分野
口腔インプラント学分野は、1998年11月、日本の歯科大学歯学部として初めて独立したインプラント診療科として開設されました。
現在、本診療科では、一般的なインプラント治療に加え、悪性腫瘍切除後の再建症例を含む顎顔面欠損に対するインプラント治療、歯科矯正におけるインプラントアンカーの設置、GBR(骨増生)、仮骨延長法、上顎洞底挙上術(サイナスリフト)などを応用した治療を幅広く実施しています。
また、学生教育にも注力しており、模型を用いたインプラント埋入実習や手術シミュレーション演習を取り入れることで、欠損補綴に関する実践的な教育を行っています。さらに、国際交流を重視し、韓国の翰林大学医学部口腔顎顔面外科、中国の北京大学口腔医学院、首都医科大学附属北京口腔医院、上海交通大学口腔医学院のインプラントセンターなど、多くの海外の大学と学術交流を積極的に展開しています。
研究テーマ
- 再生医療を応用した感染インプラントのリカバリー
- 透明プラスチックインプラントの開発および骨結合の3次元的微細構造の解析
- 訪問・遠隔診療におけるデジタル歯科診療の活用
- ニオイセンサーを用いたインプラント周囲炎の予防
- ナノ銀イオンコーティングによるインプラント周囲炎の予防
- 人工知能(AI)を活用した教育効果の検証
- ダイナミックナビゲーションシステムの精度検証
- AMPキナーゼによる骨芽細胞分化の促進機構の解明
- DFATを用いた骨再生療法の開発
- ジルコニアインプラント表面の新規処理法の開発
- インプラントの粘膜貫通部における結合組織付着の促進によるインプラント周囲炎の予防
口腔インプラント学分野 所属教員
准教授 | 加倉 加恵 |
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講師 | 谷口 祐介 |
講師 | 柳 束 |
助教 | 松本 彩子 |
助教 | 根来香奈江 |
助教 | 江頭 敬 |