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2025.03.12 【研究成果】低酸素による壊死性唾液腺化生の発症機序を解明

福岡歯科大学病態構造学分野の吉本尚平講師(口腔医学研究センター研究員を兼務)、岡村和彦元准教授、同大学口腔腫瘍学分野の平木昭光教授らの研究グループは、九州歯科大学口腔病態病理学分野、大分大学医学部歯科口腔外科、埼玉県立がんセンターとの共同研究で、壊死性唾液腺化生の初期病変が低酸素により発症する機序を、唾液腺を模倣したオルガノイド培養によって明らかにしました。

今回明らかにした壊死性唾液腺化生の発症機構は、正確な診断・治療を行う上での新たな指標となる可能性が考えられます。

 

本研究成果は、2025年3月5日に米国科学雑誌「The American Journal of Pathology」においてオンライン公開されました。

 

概 要

壊死性唾液腺化生の初期病変の病理組織においては広範囲な壊死が観察されます。壊死領域では血管分布が少なく、低酸素状態であると考えられました。さらにその壊死領域には唾液腺の筋上皮細胞が残存しており、その筋上皮細胞が壊死性唾液腺化生の発生に必要なTGFβ-3を強く発現していました。実際の唾液腺を模倣したオルガノイド培養を用いて低酸素の影響を検討したところ、低酸素にて唾液腺腺房細胞の壊死と筋上皮細胞の残存が観察されました。筋上皮細胞からのTGFβ-3産生が観察され、壊死性唾液腺化生に似た状態をもたらしました。

 

本研究の詳細はこちら(pdf)

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<研究に関するお問合せ>

福岡歯科大学 病態構造学分野

講師 吉本 尚平

Mail: yoshimoto■fdcnet.ac.jp

 

<報道に関するお問い合わせ>

福岡歯科大学 企画課企画広報係

Mail: kouhou■fdcnet.ac.jp

 

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