総合医学講座について
講座概要
2001年に内科学講座と外科学講座が統合されて発足したことに始まる総合医学講座は、2005年から2017年にかけて心療内科学、耳鼻咽喉科学、眼科学、小児科学、整形外科学、皮膚科学、内視鏡センターを加え、幅広い医科系分野で構成されています。福岡歯科大学の学生教育では、全身疾患に関連する臨床医学を担当し、大学院生への指導や、大学病院における専門的な医科診療も行っています。
主任教授挨拶
総合医学講座 皮膚科学分野 教授 古村 南夫
総合医学講座は医科9分野の診療科から構成されており、歯科と協力して質の高い医療、教育、研究を行っています。医科の立場から口腔医学を推進し、福岡歯科大学が目指す「口腔医学の実践」をサポートします。病院診療に関しては福岡歯科大学医科歯科総合病院の医科部門に加え、歯科診療部門とも密接に連携して臨床と教育を行っており、歯科大学病院の医科部門として、口腔だけでなく全身を診る医療を提供しています。歯科医学教育では、高齢化社会へ対応し、全身疾患を持つ患者さんの診療に対応できる歯科医師を育成しています。
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内科学分野
教育
内科では口腔も含めた全身の健康と健康寿命の延伸を目指し診療や研究を行っている。そこで、口腔医学医療を学習し実践する上で必要となる内科学の基本的事項と代表的な疾患の診断・治療を教育し、口腔だけでなく患者全体を診る広い視野を有する歯科医師を養成する。これらの目標を達成するために、内科学分野で担当している講義、演習、実習は下記の通りである。
1.臓器別・テーマ別医学講義
(1)内科学Ⅰ;3年前期(脳神経・感染症・免疫・内分泌代謝)
(2)内科学Ⅱ;3年後期(循環器・呼吸器・腎臓)
2.医歯学連携演習;5年前期 歯科教員と連携した講義
3.内科学臨床実習およびSimulation実習;5年後期
4.分担しているテーマ別講義、概論など;医・口腔医学概論(1年前期)、臨床栄養学(3年後期)、高齢者歯科学(4年前期)、基礎臨床統括演習(4年後期、6年前後期)、総合医学概論(大学院)、総合医学演習 (大学院)
診療
高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満といった生活習慣病を原因として、心筋梗塞や脳卒中など循環器病を発症する。これら生活習慣病の治療による循環器病予防から、最終的に循環器病を発症した症例の治療を外来、入院にて行っている。心電図、脈波検査、肺機能といった生理検査から、心エコーや頸動脈エコー、下肢静脈エコーといった超音波検査、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査も行う。虚血性心疾患に対しては冠動脈CTも施行可能。また不眠や高血圧の原因となる睡眠時無呼吸症候群の検査や治療も行う。
研究のテーマ
- 生活習慣病と歯周病とのかかわりについての臨床研究
- 低酸素応答の基礎研究、睡眠時無呼吸症候群による低酸素と血圧変動に関する臨床研究
- 先天性心疾患と歯科治療に関する臨床研究
- 肝線維化と腎機能障害の指標に関する臨床研究
内科学分野 所属教員
教授 | 得能 智武 |
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講師 | 京極 幸子 |
講師 | 西崎 晶子 |
心療内科学分野
心療内科学分野は、医療の基本となる心身両面からのアプローチを実践するための教育と研究、診療を行っています。対象者(患者様)を身体面のみならず、心理面、社会面をも含めて総合的、統合的に診断し治療する全人的医療を目指しています。
ミクロネシアの環礁
研究テーマ
心身症に見られる心身相関のメカニズムについて、おもに自律神経機能の面から研究しています。また、歯科領域の心身症や歯科治療に係わる急性、慢性の痛みについても研究しています。
1. 心因性発熱
心因性発熱の中枢・末梢メカニズムに関する研究
2.慢性疲労症候群
慢性疲労症候群の診断マーカーの確立
3.歯科領域の心身症
舌痛症、顎関節症、口腔内異常感症、義歯神経症、歯科治療恐怖症などの歯科心身症について、
診断と治療におけるEBMの確立
4.睡眠、生活とストレス、疾患の関連について
心身症における生活習慣、睡眠障害についての疫学的調査
心理内科学分野 所属教員
教授 | 金光 芳郎 |
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助教 | 田中 佑 |
外科学分野
教育
卒後研修医教育では 教室のスタッフ皆で教育に携わり、 幅広い臨床能力を確実に体得できるよう指導し、チーム医療の教育の一貫としてon the job training (OJT;仕事中,仕事遂行を通して訓練をすること)を徹底します。診療科での専門医教育では社会人として高貴な人格を備え、高いprideとmotivationを有し、専門医および学位取得を目指す教育体制を構築したい。
診療
内視鏡は可能な限り体の正常な部分を傷つけずに行う検査です。内視鏡治療や内視鏡外科治療も同様に確実な治療成果と痛みや苦痛の軽減を追求した治療法です。担当領域は消化器内視鏡(上部消化管、下部消化管、胆道)、消化器外科(食道、胃、十二指腸、大腸、直腸)肝・胆・膵外科、肛門外科、乳腺外科におよびます。この様な検査と治療を多くの方に身近に感じていただき、病気が進行しないうちに治療できるよう予防を第一に考える本来の意味での低侵襲な治療を目指します。
研究のテーマ
- アクティブ投光型マルチスペクトルカメラ開発研究
- 生体内無線電力伝送システム”の開発研究
- バイオマテリアルを用いた組織熔着方法の開発研究
- 体温で変態する形状記憶合金製内視鏡手術用屈曲鉗子の開発研究
- AIランダムフォレストを用いた組織標本3D再構築法によるミクロ立体構造の解明(大腸癌、肝臓)
- 腸内細菌叢と疾患に関する研究
外科学分野 所属教員
准教授 | 園田 英人 |
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助教 | 中司 悠 |
助教 | 泉 琢磨 |
耳鼻咽喉科学分野
平成19年4月に開設された分野です。耳鼻咽喉科は首から上の脳と眼以外の範囲を扱っています。歯科との境界領域の部分も多いため、歯科大学ならでの環境を生かして臨床や研究に取り組んでいます。
教育
将来歯科医師になっても役に立つような鼻咽喉頭の解剖や生理などに力を入れています。大学院生には手術を多く見学させるようにしています。口腔とは隣接している咽頭の口蓋扁桃的摘出やアデノイド切除、鼻・副鼻腔では内視鏡下での根治術など興味を持たせるようにしています4年生には「耳鼻咽喉科からみた嚥下障害」の題目で嚥下障害に対する外科的治療などを中心に、3年生には前期を通して耳鼻咽喉科全般の授業を行っています。
診療
・頭頚部:頭部、顎、顔面、頚部、(唾液腺腫瘍、甲状腺腫瘍など)
・呼吸器系:鼻、副鼻腔、喉頭、気管、気管支
・消化器系:口腔、唾液腺、咽頭、食道、嚥下
・感覚器系:聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚
・音声・言語・コミュニケーション・美容外科など
以上のように耳鼻咽喉科・頭頚部外科領域全般の疾患を扱います。耳科(中耳炎、難聴、耳鳴り、めまい)、鼻科(嗅覚、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎)、咽喉科(扁桃炎、発声障害、嚥下障害、呼吸障害)、頭頚部外科(甲状腺腫瘍、耳下腺腫瘍など)の診断・治療を行っています。特に嚥下領域では嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査を基にしたリハビリテーションや外科的治療などを幅広く行っています。平成28年4月より言語聴覚士による音声・嚥下リハビリも実施できるようになりました。
研究のテーマ
- 介護老人保健施設における肺炎患者の嚥下機能の解析
- 歯性上顎洞炎に対する鼻内視鏡手術の効果
- 回復期リハビリテーションの嚥下内視鏡検査の往診
- 口腔ケアの嚥下機能に対する効果
耳鼻咽喉科学分野 所属教員
教授 | 山野 貴史 |
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助教 | 縫田 竜青 |
眼科学分野
眼科学分野は、平成22年4月に開設された分野です。大島裕司教授と助教3名の計4名で構成されています。これから高齢化社会を迎えるにあたり、口腔医学同様「より有意義に生きる」ことを目指し、眼科学分野の役割もさらに重要になっています。患者さまの立場に立った診療をモットーに掲げると同時に、より優れた医療を提供していくために、教育、研究にも重点を置いています。
教育
口腔は身体の重要な臓器のひとつであり、本学は「口腔医学」の創設を提唱しています。眼と口腔はともに頭頚部の知覚器であり、分泌腺としても共通しています。シェ―グレン症候群などはこのような共通点からも口腔と眼に発症する疾患であり、このような点からも体系的診療のできる歯科医の教育を目指しています。
研究
患者様の立場に立った医療という観点から、眼疾患の解明と新たな治療法の開発をめざして研究を行っています。
研究のテーマ
眼内血管新生疾患と眼炎症性疾患の解明と新たな治療法の開発をめざして研究を行っています。
1)眼部炎症性疾患に関する臨床研究
ぶどう膜炎患者や種々の眼底疾患(黄斑前膜および黄斑円孔)の硝子体手術検体を用いて、それぞれの疾患における眼内浸潤細胞、およびサイトカインの解析をおこなっています。
眼内炎症性疾患、眼窩内の炎症疾患の臨床研究をおこなっています。
2)眼内血管新生疾患に関する臨床研究
滲出型加齢黄斑変性をはじめとする眼内血管新生疾患の病態およびそれぞれの疾患の治療に関する臨床研究を行っております。
眼科学分野 所属教員
教授 | 大島 裕司 |
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助教 | 中村 武彦 |
助教 | 姫野 夏季 |
助教 | 平田 三知花 |
小児科学分野
小児科学分野は、平成25年4月1日に開設された教室です。小児科学の立場から、口腔医学の分野で活躍できる、歯科医師および研究者の育成に尽力するとともに、小児の健康を守る立場から、小児歯科、障害者歯科および関連分野と連携をとり、小児口腔保健の分野にも貢献したいと考えます。
教育
小児科学は“総合臨床医学”であり、“成長と発達“の視点が必要です。小児科学では、臓器別・機能別の医学知識に加え、ワクチン接種などに関連する公衆衛生的知識、不登校などに関連する精神心理学的知識、出生前診断などに関連する生命倫理的知識、児童虐待などに関連する社会的知識などの広範囲にわたる知識とその理解が要求されます。小児科学分野は、口腔歯学部学生・大学院生が小児科学の知識を習得することに加え、小児医療全体に関する幅広い見識を得ることを目標に教育を行っています。
<担当している講義、実習>
1.小児科学:3年生前期
2.基礎臨床統合演習:4年生後期
3.医歯学連携演習:5年生前期
4.臨床実習:5年生後期
アレルギー検査実習(プリックテスト) 生理検査実習(脳波検査)
5.大学院講義および臨床実習
診療
小児科の基本方針は以下の通りです。
●子どもと家族の権利を尊重し、十分な説明を行い、納得いただける小児医療に取り組みます。
●子どもたちへの“思いやり”を基本に、安心・安全な医療を提供します。
●子どもたちの成長・発達に応じた質の高い医療をめざします。
●地域と緊密な連携をはかり、信頼が得られる小児医療に努めます。
研究
主に予防接種や小児神経疾患の臨床的研究に取り組んでいます。九州大学をはじめ国内の多施設との共同研究を実施し、国内外の開発治験にも参加しています。研究成果は、多数の関連雑誌や関連学会で公表しています。
研究のテーマ
1)予防接種に関する研究
●ワクチンにより予防可能な疾患に対する予防接種の科学的根拠の確立及び対策の向上に関する研究
●予防接種の有効性・安全性についての分析疫学研究
●新しく開発されたワクチンの有効性、安全性並びにその投与方法に関する基礎的・臨床的研究
●予防接種の安全性に関する社会的・臨床的研究
2)小児神経疾患の臨床研究
●小児脱髄性疾患に関する臨床的研究
●小児神経感染症に関する臨床的研究
●小児神経発達症に関する臨床的研究
小児科学分野 所属教員
教授 | 鳥巣 浩幸 |
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助教 | 奥園 清香 |
助教 | 一宮 優子 |
助教 | 黒川 麻里 |
整形外科学分野
整形外科学分野は、総合医学講座の中に平成25年4月1日に開設されました。 整形外科は運動器疾患すなわち、骨、関節、筋、神経の疾患を扱う分野です。主にQOL(生活の質)の向上を目指すところは口腔医学と相通じるものがあります。保存的治療、手術、リハビリテーションを行います。
教育
整形外科学では、運動器の解剖、生理、および、診察・治療の基本を教えます。特に、骨粗鬆症などの骨代謝疾患、外傷、リハビリテーションについて詳しく教えます。
<担当している講義、実習>
1.整形外科学講義:3年生後期
2.臨床実習:5年生後期
3.大学院講義および臨床実習
診療
医師は常勤3名、非常勤1名で診療に当たります。頭と顔を除く運動器疾患(骨、関節、筋、末梢神経等)全般の診察・治療を行います。骨折や靱帯損傷などの外傷性疾患、変形性関節症等の変性疾患に対し、小児から高齢者まで、診断・治療を行います。特に、骨粗鬆症関連骨折(大腿骨頚部・転子部骨折、橈骨遠位部骨折等)の手術加療を積極的に行っています。当科の得意分野は、骨や軟部組織から発生する腫瘍の診断・治療です。骨転移による疼痛、骨折や麻痺は、原発巣や他の転移巣に対する治療の妨げになることが多く、適切な対処が必要です。当科では、原疾患の治療への影響を最小限に止め、元気にがん治療を継続できるためのお手伝いをしています。
研究のテーマ
骨軟部腫瘍に関する臨床的研究
骨軟部腫瘍に関する基礎的研究
整形外科学分野 所属教員
教授 | 西尾 淳 |
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講師 | 千々岩 芳朗 |
助教 | 篠原 由紀 |
皮膚科学分野
総合医学講座皮膚科学分野は、皮膚や爪、毛髪の疾患に加え口や陰部の粘膜疾患も扱う診療科として平成27年10月1日開設されました。粘膜疾患では口腔医学と関連しますが、口腔と皮膚の健康が免疫、アレルギー、慢性炎症のコントロールやバイオフローラによって維持され相互作用する点も注目されています。難しい皮膚病も正しく診断し、他科の先生とも連携して満足度の高い治療を目指します。
教育
皮膚疾患全般の基本事項を理解し、その上で口唇、口腔粘膜病変をさらに理解することを目標に、皮膚科学全般について、カラースライドを用いて臨床講義形式で学んでいきます。皮膚の基本構造と機能や、歯学教育モデル・コア・カリキュラムの免疫、炎症、アレルギー、感染、腫瘍の各項目に関連した皮膚疾患について解説します。
診療
高齢者やこどもに多い皮膚の痒みや湿疹をはじめ、皮膚潰瘍や水虫などの治りにくい皮膚病、さらに、しみやほくろなどで見た目や悪性化が気がかりな方、にきび、多毛、多汗、体臭の相談にも応じます。皮膚科専門医2名が常勤しており、病理診断やレーザー治療を含む外来手術も行います。
研究のテーマ
メラニン色素産生制御機構に関連した基礎研究や、母斑症である神経皮膚症候群および稀少遺伝性皮膚疾患の厚生労働省研究班分担研究者を務め、久留米大学では免疫寛容機構の破綻と自己免疫性水疱症の発症についての基礎研究も行いました。治療では、皮膚科領域における機器を用いた治療、特にあざやしみに対するレーザー治療や、光とラジオ波(RF)を用いたしわやたるみに対するアンチエイジング治療の機器を先駆的に導入するなどの取り組みを行っています。
皮膚科学分野 所属教員
教授 | 古村 南夫 |
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准教授 | 萩家 康弘 |
助教 | 吉田 舞子 |
助教 | 伊地知亜矢子 |
内視鏡センター
教育
卒後研修医教育では 教室のスタッフ皆で教育に携わり、 幅広い臨床能力を確実に体得できるよう指導し、チーム医療の教育の一貫としてon the job training (OJT;仕事中,仕事遂行を通して訓練をすること)を徹底します。診療科での専門医教育では社会人として高貴な人格を備え、高いprideとmotivationを有し、専門医および学位取得を目指す教育体制を構築したい。
診療
内視鏡は可能な限り体の正常な部分を傷つけずに行う検査です。内視鏡治療や内視鏡外科治療も同様に確実な治療成果と痛みや苦痛の軽減を追求した治療法です。担当領域は消化器内視鏡(上部消化管、下部消化管、胆道)、消化器外科(食道、胃、十二指腸、大腸、直腸)肝・胆・膵外科、肛門外科、乳腺外科におよびます。この様な検査と治療を多くの方に身近に感じていただき、病気が進行しないうちに治療できるよう予防を第一に考える本来の意味での低侵襲な治療を目指します。