本学は、「口腔の健康を通して全身の健康を守る」とする口腔医学の理念のもとに、口腔医学のスペシャリストとしての歯科医師を養成するとともに、社会において活躍できる土台としての汎用的能力の修得を目的とし、以下の ディプロマポリシーを掲げている。
本学では、ディプロマポリシー達成のために、独自カリキュラムの構築、 GPA制度およびCAP制の採用、e-learning systemの構築、student assistant制度の採用、シラバスの充実を図ってきた。しかし、各授業科目とディプロマポリシーの関連性は可視化されていないのが現状である。
そこで、本事業では、6つのディプロマポリシーの達成度を表すシステムを構築し、本学6年間における学修成果を可視化することで、卒業学生の質的保証を行うとともに、学修成果の正確・妥当性の評価を行い、教育内容・方法の改善につなげることを目的としている。
本事業では、以下の事項を行うことにより目標を達成する。
シラバスに示されている行動目標とディプロマポリシーの関連付けを行うとともに、学士力(知識・理解、汎用的技能、態度・指向性、統合的な学習経験と創造的思考力)の分類を行う。
科目間において、難易度・重要度の構成配分や行動目標に対する評価基準に大きな差があると、ディプロマポリシー到達度を算出する上で正確性が損なわれる。そこで、科目間の行動目標や評価基準の平準化を行う。
各授業科目の評価点をディプロマポリシー毎に集計し、卒業時に修得すべき総点数に対する現在の修得率の累積を算出する。その結果をレーダーチャートで示し、現時点での各ディプロマポリシー到達度の可視化を行う。
卒後1年目、5年目および10年目に、職場の上司による評価および自己評価の調査を行う。これらの調査結果を根拠に、教育内容・方法の改善を行う。
各ディプロマポリシーに対する達成度(学修成果)が学年ごとに可視化されることにより、卒業時の最終目標への道のりが明確となり、学生の学ぶ意欲の向上に寄与する。
また、本事業を行う過程で、各科目の行動目標とディプロマポリシーの関連が明らかになるので、ディプロマポリシーを達成する上での各科目の役割や必要性の度合いが可視化されていく。これは、科目の統廃合や授業内容の改訂等のカリキュラムポリシーへ影響を及ぼすとともに、教学マネジメントの改善のための根拠資料となっていく。
さらには、卒業後1年、5年、10年時に、学修したディプロマポリシーの実践に関する調査を行い、大学が保証した卒業生の質の正当性についても検証を行う。